初夏のジャム屋日記(水無月)

 

6月も下旬。本格的な夏の到来を前に、島では今年はまだ梅雨入りもせず、とても過ごしやすい日が続いています。下の写真はジャム屋の前で咲き乱れる昼咲き月見草。

夏休みを前のこの季節、毎年行っているのが、店内・工房内の大掃除。下の写真はワックスがけのためテーブルと椅子を片付けた後の風景。物がないとこんなに広く見えるのですね。わけもなく側転をしたくなります(笑)。

さて、本来の季節は梅雨時。ということで、読んで字のごとく「うめ」のシーズンになります。そして梅に限らず、プラム系果実の季節がまさに今、始まっています。下の写真は梅農家さんの畑にて。

収穫したての青梅は水につけてよく洗い、

種を取った後、氷水に浸してえぐみを抜いていきます。この仕込みの出来不出来が後のジャムの味を大きく左右します。とても繊細な工程なのです。しかしこれにより、生では食べれなかった「うめ」が絶品のジャムに仕上がっていきます。一般に、青梅と完熟梅だと青梅は酸っぱいイメージをお持ちだと思いますが、実は梅は熟す方が酸味が増します。なので、実は「黒糖青梅」や「青梅と生姜の爽やかジャム」の方がまろやかな梅を楽しめるジャムなのです。一方、完熟梅の魅力は何といってもその芳醇な香り!完熟させた梅はまるで南国フルーツのようなトロピカルな香りを醸し出します。個人的には完熟梅のジャム、とてもお勧めです!!

プラム系果実のもう一つのオススメは、なんといっても「はらんきょ」(島の方言)。一般に言われる「すもも」の事です。もともとすももには「はたんきょう」という品種があり、それがなまって、更に、すもも全体の事を指す言葉として残ってきたのだと思います。この「はらんきょ」、熟したそばからいたみ始めます。まさにジャムに仕上げていくのとは時間との勝負。

完熟した果実を収穫してすぐに工房に運び込み、すぐに下ごしらえを始めます。一つ一つが小さいので、気の遠くなるような作業の連続。プラム系果実は全般的にあしが早いので、この季節は気の抜けない日々が続きますが、これも最高の旬の果実を最高のジャムに仕上げたいため。黙々と下ごしらえの作業が続きます。

そして完成したのが、島のはらんきょジャム。中身まで真っ赤な品種のはらんきょはジャムにしてもその真っ赤な容姿で魅せてくれます。この出来上がりを見ると、それまでの作業の大変さが一気に吹き飛びますね。

さらに、プラム系果実の王道といえばアプリコット(杏子)!杏子も不思議な果実で、生では食べられたものではないのですが、加熱するとなんとも言えない芳香と食感が生まれてきます。梅やすももと違ってタネが取りやすいのが嬉しい。ジャム工房にかかせない初夏を彩る必須食材です。

加熱すると、まるで別物の食材のように絶品ジャムに仕上がっていきます。

さて、もう一つご紹介するのはこの時季から8月末ごろまでを旬とする果実、「もも」です。桃の季節を告げる一番最初の品種、「はなよめ」。当店の農園で唯一栽培している品種です。果実は小ぶりなのですが、適度に酸味があり、中身もほんのりピンク、味も見た目もとてもジャム加工に最適な品種なのです。今年は特に実付きがよく最高の出来栄え。今年のこの味を最高の味に仕上げようということで、収穫の現場から携わりました。「はなよめ」の果肉は繊細なため、傷めないよう素手で丁寧にひとつずつ収穫していきます。

完熟した「はなよめ」の上品でほのかな甘い香り、癒されます。この繊細な初夏の味わいをさらに格式高いジャムに仕上げたい。ジャム職人の想いを最高のジャムで表現したい。

そこで、この季節のもう一つの稀少果実、桑の実とマリアージュすることに。

桑の実はこの季節の極上食材、そしてどこか懐かしさを感じる果実。島の数軒の農家さんから少量ずつ、毎年ジャム工房に届きます。しかし実は高品質なジャムにしようとするとかなり手間のかかる食材でもあります。小さく柔らかい果実を潰さないよう丁寧に摘み取り、形が崩れないようにしながらもよく洗い、食感を残すため一つ一つ手でクキを取りのぞき、熟し具合を一つずつ判別し、 、、煮込みもゆっくりと時間をかけて加熱。
時間と手間が、この果実に命を吹き込みます。

自家農園で栽培から取り組んだこの「はなよめ」を形を残すように大きめに切り、一番良い食感になるよう絶妙なバランスで果肉を砕きながら煮詰めていきます。桑の実はまるまる形を残すように丁寧に煮こみ上げていき、仕上げに絶妙な分量で混ぜ合わせます。

最高の味わいと深いワインレッドの色合いを創りだしました。初夏の果実をそのまま口にほおばっているような、贅沢な作品に仕上げました。最高峰「ローズクライン」にまた一品、仲間入りです!商品名「初摘みはなよめ(白桃)~桑の実と共に~ 初夏のワインレッド」。渾身の初夏の作品、是非ご賞味ください。

この季節の工房内の様子をもう少し紹介。下の写真は何だかわかりますか?答えは「ルバーブ」。野菜の一種ですが、もともとがシベリア原産の野菜で、寒冷な土地でしか栽培ができません。偶然の出会いから北海道の栽培農家さんと知り合い、毎年この時期に少量送ってもらえることになりました。素敵なご縁に感謝感謝です。ルバーブには赤色と青色があり、この写真のルバーブは赤色。この茎の部分をジャムに仕上げていきます。

ヨーロッパではとてもメジャーなジャムで、植物の外観からは想像もできない美味しさ。あえて少し繊維質が残るように当店では仕上げています。

そして、「なつみ」や「太陽のしずく」で柑橘シーズンもほぼ終わり。柑橘の島としてはなんだか寂しい季節でもあります。

次の話題は、ジャムズカフェ。

Jam’sジェラート ついに始動!周南市藤井牧場のジェラテリア クラキチさんとコラボ!ジャムズカフェにて当店のジャム・旬の果実をふんだんに使用したジェラートが楽しみめるようになりました!

下の写真は、、、ジャム屋の娘とお友達が一つのジェラートで子供女子会。絵になる写真が取れました(笑)

基本ベースとなる味は季節ごとに6種類を用意し、そこに当店自慢のジャムを練りこんだり、トッピングして、ジャム屋ならではの味に仕上げています。この夏、是非お試しください。

そして始まりました、夏の大人気カフェメニュー「ジャム屋のかき氷」!3種のかき氷専用ジャムと秘薬のモヒートシロップで味わうミラクルかき氷!

これまでの市販の着色料と香料のかき氷シロップでは物足らず、ジャム屋の夏のカフェメニュー「贅沢かき氷」のために製造していたかき氷専用ジャムソース。お客さまからの「持ち帰りたい」との声にこたえ、持ち帰りができるタイプとして商品化しました。氷に載せるので味が薄まることを想定して少々濃いめに、そして果肉感とシロップの役割を兼ね備えた一品です。もちろん、かき氷以外、ヨーグルトや炭酸飲料などに使用していただいてもおいしくお召し上がりいただけます。今年は是非ご自宅でもチャレンジしてみてください。ちなみに、今年の新味は「はらんきょジンジャー」!収穫後日持ちしない果実なので扱いが大変で、当店では限定生産品となっています。はらんきょ独特の酸味とあまい香りにジンジャーのアクセントをお楽しみください!

最後に2つご報告。一つ目は雑誌「地域人」の特集「後継者の使命~守りと変革~」にて4ページにわたり紹介されました!妻の実家の荘厳寺(しょうごんじ)を昨年10月に継いだこと、そしてジャム屋と地域とどのような変革をしていっているか。とても読み応えのある内容になっていますので、是非ご一読ください。

 

2つ目は、なんと、内閣官房副長官 西村康稔さまご来店!
島の取り組みを紹介させていただきました! もちろん自慢のジャムたちの味見も!

最後に、募集について

①夏季学生インターンシップ(7月中旬から8月末ごろまでの間で希望を確認)を募集しております。現在選考中です。もしご希望があればご連絡ください。

②カフェスタッフの募集を開始しました。2年ぶりの採用募集になります。お気軽にお声掛けください。

最後までご覧いただきありがとうございます!7月次の新作発表&販売は7月28日21時からです。ブルーベリー・白桃など次回も人気ジャムを多数用意してお待ちしております!!

2019年6月23日

店主 松嶋 

 

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