師走のジャム屋日記

いよいよ師走ですね。皆さんは年末年始の準備、順調に進んでいますか?この柑橘の島も年末年始ごろから霜が降りる季節になるので、年末までに収穫しなければならない果実が大量にあり・・・。柑橘の下処理は大変手間がかかるうえに収穫作業・お歳暮発送などなどこの季節のジャム屋はうれしい悲鳴の毎日です。

そんなある日、カボス農家さんのところへ行ってきました。

カボスといえば夏ごろから出回る緑色のものをイメージされるかもしれませんが当店で使用しているのは樹上で完熟した12月ごろのカボスです。もともと実が青い時期にマーマレードにしてみようとしたのですが、酸味が強すぎて味がとがり、途方に暮れていたとき、農家さんから「12月ごろまで樹上で完熟させれば酸味がとてもまろやかになるんだよ」と教えていただきました。そして秋口からどの時期のカボスがいちばんマーマレードに向いているのかを調べた結果、周防大島のカボスだと12月初中旬がベストだと分かりました。こうして農家さんの知恵とジャム屋の想いで完成した「完熟かぼす蜂蜜マーマレード」は今年もこの時季から煮込みが始まるのです。

 

ちなみにこの農家さん。東京で漫画家志望でいろいろな作品のお手伝いをされていたそうですが、両親の高齢化に伴い、実家の農業を継ぐために島に戻られてきたUターン組の若手農家さんです。島に少ない若手農家さん。是非がんばっていただきたいということで、当店向けのカボスやキウイなどを生産していただいています。

下の写真2枚はそんなキウイの収穫風景。キウイも霜が降りる前のこの12月が収穫シーズンなんです。そして小分けのビニール袋に入れて追熟を行ってから出荷となります。

この農家さんのある地区は島の中でも標高の高い(200mほど)エリアで、島の雰囲気よりは山里の雰囲気のある土地柄です。下の写真は以前本家があった母屋を柑橘倉庫に改装した建物です。本家の母屋として建てた経緯もあり柱などは最高の代物。しかし、やはり柑橘倉庫としては使い勝手が悪いらしく、近代的な倉庫に建て替えるそうです。「何だかもったいないですね・・・」と言っていたら、移築しませんか?とのこと。今なら移築するなら無料で建物を提供するとのことなので、どなたかご希望の方がおられましたらご一報ください!

その建物の横には今は使われなくなった水車小屋があります。この水車はめずらしい金属製です。こういう風景たちを未来に残せるといいんですが、やはりすべてを残すのは難しい・・・

さて、工房ではこの時期、始まったばかりの柑橘シーズンに合わせてマーマレードづくりの毎日です。一方で、島の珍しい農産物が持ち込まれることも。下の写真はトロピカルフルーツのフェイジョア。柑橘栽培が可能な気候ならフェイジョアの栽培も可能だそうです。更に驚きはその栽培農家さんが92歳ということ!まだ現役で?みかんも栽培されているんですが、これこそ島のミラクルです。

さらに珍しい果実では下の写真。魔女風焼きジャム誕生!ムラサキ芋のあまりにビビットな色合いに思わず煮込みながら恐ろしくなってしまいました(笑)。しかし、味はとてもいけてますよ!

そして、農園で豊作だった生姜!今年はこれを使って青レモンとマリアージュ。新作、青レモンジンジャーマーマレードも完成しました!!

忙しい師走の時期の工房。しかし、たくさんの方々とのつながり、たくさんの果物との出会いが、忙しくても楽しい毎日を支えてくれています。本当にうれしい忙しさなんです。

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