日常を取り戻すため ~2018.11ジャム屋日記~

1022日未明に山口県周防大島と本州との唯一の架け橋、大島大橋に大型貨物船が衝突し、大島大橋が大破しました。橋の損傷は激しく今も断水し通行は2トン以下のクルマに制限され、さらに風速5メートルで完全通行止めとなるような橋になってしまいました。。。

この影響で、島へお客様が全く来ず、島内事業者が困窮を深めていました。しかし、この島全体を取り巻く苦境に負けてはいられない。そこで島復興のために島の事業者たちとジャム屋は立ち上がりました。島へお客様が来れないのなら商品をお届けしよう。まずは、島の有志の事業者の商品を集め、通販で販売するため、お寺の空き部屋を臨時発送センターに!

そして急遽、「がんばろう!周防大島」事業者応援特設サイトを立ち上げ、119日から島の産品をまとめた「がんばろうセット」の販売を開始しました。できることをやり切ったうえで悔やむなら納得がいきますが、やりもしないで悔やむわけにはいかない。私たちの想いの詰まったサイトを是非ご覧下さい。

他の事業者を巻き込んだ「がんばろう!周防大島」応援の一方、当店ジャムズガーデンは深刻な危機に直面していました。断水でジャム製造が完全にストップ。橋が頻繁に通行止めになるため来島客は激減し、直営店の売り上げは89割減。従業員の通勤もままならず、ほとんど自宅待機。。。しかし歩みを止めるわけにいきません、私たちはもがき続けました。

加熱殺菌する機械に加圧水を送り込む機械を探し、瓶の仕入れは橋の重量規制のため大型車が入ってこれないので自分たちで取りに行きピストン輸送、そして最大の問題が、安全な水の確保。そこで想いおこしたのが、15年前に掘った敷地内の『井戸』。水量が非常に少なく使っていませんでした。それから15年。この井戸が我々の救世主になってくれました。117日、水質検査にて「適合」の連絡を受け、早速、みんなで試飲を兼ねて乾杯!

踊る心がそうさせるのか、味はまろやかで最高に美味。島の地下80メートルから湧き出た天然水は目の前が海なのですが、塩分は含まれていない、なんだか不可思議水でした。

全島断水から、実に20日ぶり。ようやく、本当にようやく工房に再びジャムを煮込む炎をともすことができました。

一方、井戸の水は水量が少ないため生産量は通常時の1/4。しかし、私たちは負けません。私たちはこの島でジャムを創り続けます。さらに今年のみかんは当たり年。どの果実も私たちの煮込み再開を祝ってくれているように今年はどれもほんとに美味しい。「天然水仕込み」シリーズがこんな経緯から生まれるとは、人生何があるか分かりませんね()

当社始まって以来の最大の危機の中、ありがたいことにご縁にはたくさんたくさん恵まれています。「地域自立活性化優良事例」として総務大臣賞をいただいたり、「ディスカバー農山漁村の宝」として総理官邸にお招きいただいたり、そしてなにより、多くの方々が、私たちにエールを送っていただき、応援をしていただいています。私たちだけではこの難局を乗り切るのは難しく、最初は悩みに悩みました。しかしこの難局を乗り越えようとしている島の仲間がいて、さらにそれを応援しようとしてくれる多くの方々がいる限り、負けはしない。

自分の小ささと、周りの方々に支えられて生きていることに改めて気づかされた11月でした。

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