ジャム屋物語

本州と島を繋ぐ大島大橋(通行料無料)

本州と島を繋ぐ大島大橋(通行料無料)

私たちがジャム屋を開業するのに選んだのは瀬戸内海に浮かぶ周防大島(島の形が金魚に似ているので別名金魚島とも呼ばれています)。多種多様な果実類の栽培が行われていることが決め手となりました。
果実生産現場に近いからできる旬の素材を使用した季節感のあるジャム作りをしています。
島の温暖な気候を生かして作られる柑橘類の生産量は県下一位! 量だけではなくその品質のよさでも知られ、全国に根強いファンを持ち、近隣では「柑橘の島」と呼ばれています。 大島についての詳しい情報は、周防大島.comまでどうぞ!

レモンの収穫

レモンの収穫

瀬戸内のおだやかな浜風の中、太陽の光をふんだんに浴びて育った果実類で作ったジャムたちが私たちの自慢です。
そして果実生産現場に自ら関わるからこそできる新しいジャム作りに取り組んでいます。
例えばある柑橘はマーマレード用に収穫時期を3カ月も遅らせて樹上完熟させるなど、他にはないジャム作りをしています。
さらに原材料となる果実類は、全て自家農園か契約農家から直接仕入れ、無農薬もしくは減農薬で育てたワックスをかけていないものを使用しています。

ブルーベリーの収穫作業

ブルーベリーの収穫作業

「美味しいジャム作りは美味しい果実作りから」 私たちが考えているジャム作りの原点は果実作りから始まります。まだ規模は小さいですが、お店の隣の畑などでブルーベリー・あんず・ゆず・金柑・すだいだい等を育て始めています。特にブルーベリーは本格的に栽培を始めて7年目を向かえ、収穫量も期待できるような樹々に育ってきました。
島にお越しの際にはわたくしたちのブルーベリー園も覗いていってくださいね。
更に果樹栽培からこだわるため、2010年末からは新たに耕作放棄地を借り受け、伐採・再開墾中です。

7月末頃の早朝のブルーベリー畑

7月末頃の早朝のブルーベリー畑

念願だった「体験型ブルーベリー園」を2010年からOPENしました!
ブルーベリーの摘み取り体験ができます。
毎年7月の海の日の3連休から8月のお盆の時期まで摘み取り体験ができますので夏休みにお越しの際にはブルーベリー狩りをどうぞ楽しんでいってくださいね!
ゆくゆくは摘み取ったブルーベリーでジャム作り体験ができるようにしていきたいと夢は広がるばかりです。

 

ひとつひとつ丁寧に手作業

この地域ではみかん以外にもたくさんの果実を栽培しています。 いちご、梅、いちじく、ぶどう、東和金時(サツマイモ)、キウイなどなど。 ジャムにするのに最適な「旬」を農家さんとの共同作業で見つけ出し、そんな果実たちをジャムにしてお届けしています。 また、一般に柑橘の中袋を大量に除去する場合、缶詰工場などで行われるのは、薬品を使用して溶かすことが多いのです。しかし私たちは全て手作業。加工に薬品は使用していません。 ひとつひとつ安心安全の手作りにこだわっています。

ジャム煮込みの風景

おジャム煮込みの風景

日本では糖度40度以上をジャムとして規定しています(文化の違うヨーロッパやアメリカなどは60度以上が一般的です)。
私たちは果実本来の味を生かすため、糖度は日本の基準の最低である糖度40度にしています。(開栓後はお早めにお召し上がりくださいね。)
さらに砂糖は種子島産のさとうきびを化学的精製をせずに作り上げた「洗双糖」を取り寄せて使用しています。 漂白していない砂糖のため、ジャム自体は見た目少々茶色がかった色合いになりますが、味は最高です!

ジャム屋の始まり

あまりに真剣なので妻が面白がって撮った一枚

あまりに真剣なので妻が面白がって撮った一枚

私たち夫婦が結婚したのは2001年のこと。新婚旅行で訪れたパリでアクセサリー店に妻が入りたいがために私に隣にあったお店で時間をつぶしておくように言ったのが全ての始まりでした。そのお店こそ、そのころパリでブームになってきていたコンフィチュール専門店(コンフィチュール:フランス語でジャムのこと)だったのです。
あまりの衝撃に妻を待たせること1時間。30本ものジャムをその場で買って帰ったのでした・・・。
「このような食文化が日本にもあったらいいのに」、その時思ったのはただそのひとことだけでした。

ここからジャムズガーデンは始まりました。

創業前の試作品作成の風景

創業前の試作品作成の風景

美味しいジャム作りとはどうすればよいのか。
ただひたすら試行錯誤の繰り返しでした。
火加減や洗双糖を入れるタイミング、かきまぜる力加減、鍋の大きさ、果実の下処理方法、などなど。数え切れないほど煮込み、数え切れないほど失敗作を作りました。なぜ難しいのか。
ある日、私は気付きました。それは「均一な味」を求めたからだと。
考えてみると当然のことなのですが、人間もひとりとして同じ人はいない。果実も同じです。昨日煮込んだ「いちじく」と今日煮込む「いちじく」は違う。季節の移り変わりとともに果実の風味や水分量も微妙に異なる。また、同じ品種の「いちじく」でも畑の場所でやはり味が違う。それをまったく同じ味にするためにはPH調整剤やゲル化剤、化学調味料、香料、着色料などがどうしても必要となってきます。
そういったものを一切使用しないジャム作りを目指しているのに、画一的な味を求めること自体意味のないことだと気づいたのです。
それからは原材料の果実生産者とかかわり、ジャムにして美味しいと思える旬や栽培方法を共に探し出し、「その果実のその特徴を生かしてあげるように煮込む」ことに集中するようになりました。

ジャム屋建設途中の一コマ

ジャム屋建設途中の一コマ

ジャム屋になることを決心したのち、この日本で、どのような手作りジャム屋をすればよいのか、いろいろと考えアイデアを出していきました。
考え抜いた結果、妻の実家のあるこの瀬戸内の島、周防大島こそ私たちのジャム作りに最適だという結論に達したのでした。
ジャムの味を決める最大の要因、それは原材料の果実類です。その果実類を新鮮なまま身近に手に入れることができる場所、より多くの種類の果実類が栽培されている地域、そして真剣に果実作りに取り組んでいる方がいること。
このように考えるとパリのような都市部でのジャム屋にはおのずと制約が出てきます。
手作りジャム屋をするからには、この土地でとれたものをこの土地にしかないジャムに作り上げていきたい。
私たちはこの地で精一杯ジャムを作っていくことを誓い、この島にジャム工房を建てたのでした。

いちじくジャムの煮込み風景

いちじくジャムの煮込み風景

「いちじくジャム」は私たちの原点です。
地元の農家の方々に毎朝、その日の早朝に採れた「いちじく」をとどけていただいています。「いちじく」は傷みやすい果実なので朝収穫してすぐに下処理に入らないと味がどんどん落ちていきます。スピードが命のジャムなのです。
「果実の良し悪しがジャムの味を決める大きな要因となる」ということは、つまりジャム作りは農家の方々との共同作業なのです。一番最初に農家の方々との共同作業で完成できたのが「いちじくジャム」だったわけです。
2003年にこのいちじくジャムを販売したのが私たちの始まりです。
以後、思考錯誤を繰り返し、今のようなジャム屋へと成長してきました。

地域のために

浜の清掃活動の一コマ

浜の清掃活動の一コマ

今の時代に求められているのは、地域の価値に気付き、その地域に根ざした活動を展開することだと思います。この土地でできた農作物を使い、この土地の人の手により造り上げていく生活こそが真の贅沢だということを示していくこと。そして田舎では田舎でしかできない事業を行うことが理想のスタイルであることを実践によって示すこと。これにより地域に活気を取り戻し、地域の年配者を元気づけ、地域へ若者を呼び戻す事が出来るはずです。
そのために私たちにできることは、この土地でしかできないジャム作りをすることだと考えています。この土地と作り手の魂が感じられるジャムづくり。さらにこの島と人々とのつながりから生まれるジャムをその場で味わってもらい、そこにしっかりとこの島の土の香りが宿っていることを知ってもらうこと。これこそが私たちの目指しているジャム作りなのです。

私たちの目指しているもの

  • この土地でしかできない、こだわりのジャム造りを実践し続ける
  • お客さま・果実生産者・当社スタッフ・そしてそれを取り巻く社会までをも笑顔にする
  • 持続可能な地域づくりのため、里山資本主義を実践し、経済的循環と若者の雇用の場を作り上げる

地域資源を活用したジャム作りから地域を担う次世代人材の育成まで、日々のジャム造り以外にも地域と社会のために幅広く活動をしています。

そんなジャム屋の物語が本になりました

もとは島の起業家塾の教材用に創業期のジャム屋を描いた漫画です。漫画で終わらせるのはもったいないと、ジャム屋の想いやこだわり、レシピや図鑑などなどをいっぱい詰め込みました!だからこそ創業の教科書として、また一般の方にはジャム屋の始まりを楽しく知ることができる一冊に仕上がっています。是非ご一読ください!

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