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年初めのジャム屋日記

あけましておめでとうございます。


比較的温暖だと言われているこの島でも、この年末年始はとても寒い日が続いています 。一番気になるのは春に収穫する柑橘たち。柑橘の実は寒害(かんがい)といってマイナス5度以下が数時間続くと実がこおります。一度凍ると味に苦みが出たり、水分が抜けたり、と商品にならなくなるのです。


しかし春に収穫する柑橘類は寒い冬を樹上で越さなければならないため、いつ寒波が来るかとひやひやして冬を越していくのです。


島の中でそんな寒さを忘れさせてくれるような地区があります。

毎年この時期になると「いよかん」を農家さんに分けていただくために訪れる馬ヶ原という地区です。島の中でも南端に位置し、入江は南向きで、いつも海が輝いています。当店から途中に信号機が2台しかない道を車で30分はかかるので同じ島といってもかなり別世界。

そしてここの農家さんの「いよかん」は最高においしい!海に面した南向き斜面の段々畑がやはり柑橘栽培には最適なんですね。


ただ、今の時季「いよかん」を生で食べるには少々早いのです。いよかんは収穫後貯蔵することにより、酸味が抜け、外皮が濃いオレンジ色に変わっていきます。だから出荷するのは3月ごろなんです。


しかしマーマレードにしておいしいのは今の時期の「いよかん」なんです。理由は、一つに適度な酸味がある方がマーマレードにしておいしい。二つ目にマーマレードは外皮を使用するので、外皮がフレッシュな今の時期の方が香り・歯ごたえがよい、というわけです。これから当分この倉庫へ通い詰める日々が続きます。


そんな馬ヶ原のもう一つ素敵な風景が下の写真。堤防の上に延々と収穫した「ひじき」が天日干しされています。農家さんの冬の仕事(こちらが本業かもしれませんが)。よそ者がほとんど来ない地域だからでしょうか、何だかほほえましい景色だと感じていつも軽トラックを止めて眺めてしまいます。

馬ヶ原から持ち帰った「いよかん」はさっそく下処理に。


他の果実と違ってかんきつ類はとても作業が大変ですが、この果実があるこの島だからこんなジャム屋ができているのであって、なんだかありがたい柑橘のシーズンなんです。

さて、「春のジャム屋フェスタ」今年は3月31日(日)に開催することが決まりました!ジャム屋を挙げての一大イベント。昨年にも増して素敵な出展者さんをお招きしたり特別企画の計画を練っているところです。その一つが下の写真。障碍者福祉施設「周南あけぼの園」さんが生み出したはんぷ工房「結」。そちらとジャム屋のコラボバッグを企画中でこのジャム屋フェスタでお披露目予定です!!さらにさらに面白いジャム屋商品を開発中なんです。こうご期待!!

話しは変わりますがこの1月12・13日で島へのUIターン者を応援する会「島くらす」が主催したお試し暮らしツアーが初実施されました。

観光型ツアーと違って島の人たちと触れ合うことに主眼を置いた島の者たちが創ったツアーなんです。畑で大根を収穫したり、農家さんの家でお茶したり、もちろんジャム屋でジャム作りの話を聞いたり。夜は夜で宿で島の人たちと一杯。こんなに人との触れ合いを楽しめるツアーはほかにないと自画自賛系ですが確信しました。今後もこのツアーを続けていきますので、機会があれば是非ご参加くださいね!

最後に、ジャム屋の畑ではこの真冬に春の息吹が芽吹こうとしています。下の写真はブルーベリーの樹の枝ですが、1月のこの時期にすでに芽が膨らんできています。どんなに厳しい時期でも、次の時期に花咲く種が小さくとも芽生えている。自然の力は人知をはるかにしのぐ感動に包まれています。真冬に小さなつぼみを見ると、なんだか勇気づけられるのはわたくしだけではないはず!











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