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2020年9月 初秋のジャム屋日記

 季節は秋。晴れた日は島の空気も澄み渡り、心地よい浜風がそよいでいます。

ジャム屋の工房にも秋の旬の味覚が届き始めています。

まさに天高く馬肥ゆる秋。下の写真はジャムズガーデン前の浜辺からの撮影。

 秋の味覚、第一号は8月末ごろから工房に届き始めた「無花果(いちじく)」。

無花果の実自体は「花」の一部分らしいので、他の「果実」と比較するのは間違っているかもしれませんが、個人的にはかなりこだわりを持ってしまうフルーツです。

他のフルーツとは一線を画し、一種独特の一ジャンルを築いている果実だと思います。

花の命は短い、からか、無花果は熟し始めると早く、日持ちのしない果実の代名詞でもあります。

だから「完熟」無花果は生産地近辺でしか出回らない、無花果マニア垂涎の品なのです。

 完熟無花果の味はトロンとしていて、まるで天然のジュレ。

完熟のこの一瞬が最高に美味しく、ジャム造りをするのならこれを原料にしたい!と創業当時に思ったことを思いだします。

たまたま近隣に無花果農家さんがいたこともあってジャム加工に使用させていただいた最初の果実となりました。




しかし、その一方で、高齢化率日本一だったような島なので、8軒いた無花果農家さんも高齢化で次々に無花果栽培を断念されていく状況が続きました。

先にも触れましたが、いちじくは足が早い(傷みやすい)ので完熟果実を遠方から入手する事は難しい。

悩んだ末にトコトコ美味しいジャムを作るには、無花果農家さんの技術を引き継ぎ、畑から作ってしまおう!と決めました。

そして2014年、始まったのが無花果の自家栽培。

いろいろな失敗を繰り返しながらも、元無花果農家さんのご指導もいただき、年々その栽培技術は高まり、近年は自慢できるほどの実りとすることができるようになりました。


2014年の畑 無花果の植樹直後

2020年現在の無花果ハウス

 無花果は不思議な果実で、加熱すると青臭さが消えて全く別物の味わいになります。生果実が苦手でも 「ジャムなら大好き!」という方も多いのが無花果。最近の若い方々は無花果自体を食べたことがないという方も多いようですが、是非、島の無花果、そしてそのジャムを味わってみてください。



 さて、工房に届いた秋の味覚、第2号は「厚保くり(あつくり)」!

毎年9月10日前後になると、一報が入るのが山口県が誇る栗産地の一つ美祢(みね)の農協さん。

約400戸のくり農家さんが約200haの栗林を管理されています。例年、栗の収穫が始まると、その年のくりの出来栄えを確認しに美祢農協さんのくり選果場へ赴くのですが、今年は残念ながらコロナ禍のため、接触機会を減らすべく自粛。

あまりにも残念なので昨年のくり選果場の写真を下に貼り付けておきます(笑)。

厚保くりは大玉で甘みが強く、栗の風味が濃いのが特徴。

当店ではそんな厚保くりのおいしさをそのまま伝えられるよう、水と洗双糖だけで煮込み上げていきます。



 今月は大きなご報告事項が2つあります。

 1つ目は、ジャムズギャラリー特別展の告知です。

人気画家中司満夫さんのルーツはなんと周防大島にあった!25年前、島の高校で美術を教えていたジャムズ農業部長白鳥文明との二人展。

なんと作品のテーマは「周防大島」!!

売れて見れなくなる可能性もあるので是非  お早めにご来場ください(会期:2020年10月2日~27日)。





ジャムズ通信の裏面にも記載しておりますが、6月に宣言しましたレモンチェッロ(レモンのお酒)造り。

まずは酒造免許を取るところから始めるため、その下準備に日々奔走しております。

この8月3日、ついに国税庁に酒造免許申請書類を提出してきました。

また、周防大島町から内閣府に上申していただいていたリキュール特区の改正もこの8月に通りました!

順調に酒造免許の審査が進んだ場合、11月か12月ごろに免許が下りる予定です!!

期間は私たちの18回目の創業記念日にあたる、11月3日まで。

まさに第2の創業を始めるために、今回、ご協力していただけるメンバーを募集しています。

是非ともにコロナが落ち着いた暁にはレモンチェッロで乾杯しましょう!


 10月の新作ジャム発表&販売は10月18日21時から、リンゴ・サツマイモなどの焼きジャム系が充実する季節、10月もどうぞお楽しみに!


店主 松嶋

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