心地よい春の浜風とともに、島には花の季節がやってきました。今年の島の桜は例年より少し早く咲きました。そして柑橘畑の下草も緑のじゅうたんのようになり、ふぐりの小さな青い花が埋め尽くします。ジャムズブティック前のブルーベリー園も華やかに小さな白い花々が咲き乱れました。昨年はコロナ騒動の始まりの時期だったことでついついミツバチの手配が遅れ、実がほとんどつかない失態をしてしまいました、、、その教訓を活かして今年は島の養蜂家さんに早めに巣箱を設置してもらい、今のところとても順調です。いまからブルーベリーが旬となる夏が、すでに待ち遠しいです。
ジャムズ農園の苺ハウスの中も苺の花が次々に咲き、そして次々に真っ赤な果実が熟していきます。春は苺の花の量が増える分、収穫量も増えてくるので毎日の作業が大変。でもこの赤い果実には一種、魔法のような魅力がありますね、見ているだけでなぜかテンションが上がる(笑)。果実を収穫していても、ジャムを煮込んでいても、そしてスイーツに盛り付けていても。なかなか移動のできない時代になってしまっておりますが、やはりこの赤い果実を見ていると、島のこの空気のなかでこのジャムやスイーツたちを味わってほしい、とついつい想ってしまいます。
さて、苺が旬を迎えるこの時季、ジャム工房には雪崩をうったように春の柑橘もたくさん入ってきます。
マーマレードの種類が一番多くなるのもまさに今。マーマレードフリークにはたまらない季節の到来です。
特にスイート系柑橘類の種類が増えてくるのが3~4月。
自家農園のブラッドオレンジを筆頭に、ネーブル、きよみ、せとか、そして山口県の最高級ブランド柑橘せとみ。
だれからも愛されるタイプのマーマレードたちの季節でもあります。
そんなオレンジ色が主体のスイート系柑橘に混じり、個性的な柑橘が工房に届きました、その名は黄金柑(おうごんかん)。小ぶりのみかんサイズで、外皮は真っ黄色。なんとなく柚子などを連想させる色形ですが、なんとこれもスイート系柑橘。
しかし、香りはさわやか系。ジャム職人としてはこの個性を活かした果肉感たっぷりのローズクラウンを創りたい、という思いがふつふつと湧いてくるのがあたりまえ。
そこでこの季節のもう一つの個性的な柑橘、金柑(きんかん)を半身まるまる合わせて、さらにキウイで甘酸っぱく仕上げてみました。何にもつけずにそのまま食べてしまいたくなる一品に仕上げました(笑)。
さらに、今年も作り始めました、ジャムズカフェの一番人気、濃厚柑橘ジュースをご自宅でも味わえる、生搾りぷるるんジュレ。試行錯誤の上、商品化できたのが残念ながら柑橘シーズンがほぼ終わった昨年の6月だったため、昨シーズンは極々限定生産でした。今年はこの4月29日から販売予定、是非おたのしみに!
そして、同じく4月29日から販売開始するのが、母の日限定“カーネーションレッド”ラベルの特別レモンチェッロ!
バラの花びらの入ったマーマレードと合わせて贈り物として母の日にお勧めです!
さて、ここからはジャム屋の春の出来事を3つご報告。
1つ目は、「レモンの丘」についてです!去る4月25日、レモンチェッロプロジェクトで特命農業部員になっていただいた方々にご参集いただき、レモンの苗木の植樹祭をレモンの丘で執り行うことができました。
コロナ禍の影響で、実際には10名程度のメンバーに絞らせていただき、小さなイベントとなってしまいましたが、、、。しかし、私たちにとってはとても大きな一歩、まさに100年続く地域産業を創るという夢が動き始めた瞬間なのですから。私たちはこの日を忘れることはないでしょう。
左上の写真は「レモンの丘」へ続く道づくりの風景。右上はご家族で参加していただいた小さな特命農業部員!左下の写真は、レモンの樹命名プレートにいただいた詩「いにしえの こころざしをも たずさえて 二十二世紀 レモン摘む君」。
どの瞬間もただただ輝いて見えました。この瞬間をいただいたすべて方々、すべてのご縁に、心から感謝を申し上げます。
2つ目は、ガーデンカフェにDogポートを7か所設置。
かわいい7種の犬のプレートは当店でインターンシップを経験し、起業したあすなろ手芸店さん作。ご縁が繋がります。
そして3つ目は、1月の大寒波で葉がほとんど落ちてしまい、枝も枯れていたレモンの樹々の芽吹き。枯れたままの枝が一部残るものの、自然の力は頼もしい。こんな時代だからこそ、耐え忍んだ先に新しい芽吹きを見せるレモンの樹に勇気をいただきました。レモンの樹に負けないよう、私たちもコロナ禍にまけず頑張ります!
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