ジャム屋の自家農園
工房では私たちジャム職人が日々、こだわりのジャム造りに勤しむとともに、新しいジャム造りの可能性を追い求めています。
すべては一つ一つの小さな工程や作業の積み重ねですが、その小さな挑戦の積み重ねによりジャムの新しいおいしさが生まれるのです。
そんな私たちの舞台、ジャム工房は摘み取りブルーベリー園側から覗き見ることができます。
皆さんもご来園時には私たちジャム職人のジャム造りの風景を是非ご覧になっていってください。
(基本、月火木金の日中にジャム造りをしています)
摘み取りブルーベリー園
ジャムズの創業期から栽培を始めた一番思い入れのある果実、それが「ブルーベリー」です。
栽培当初は周防大島でブルーベリーを栽培している農家さんがおらず、県外の農家さんのところで学びに行きました。今では自社農園で栽培をするとともに「周防大島ブルーベリー研究会」を立上げ、地域内のブルーベリー生産者を増やす努力もしています。
店舗前に設置されている「摘み取りブルーベリー園」では夏休みシーズン、摘み取り体験もできます。子供たちの歓声が聞こえてくるのがこの畑のいいところ。園内には6品種のブルーベリーを植えてあるので、食べ比べて自分の好みのブルーベリーを摘み取って頂けます。夏の想い出に是非摘み取り体験をお楽しみください。
ブルーベリー園は農薬を使用せず栽培しているので、採れたてをそのまま食べることができます。
ブルーベリー畑の地面に敷いているのは、地域の大工さんから譲り受けたカンナくず。産業廃棄物で捨てるにはもったいないと、ブルーベリー園でリサイクルしています。見た目はふわふわの天然素材絨毯。栽培では保湿効果や除草効果がありとても重宝しております。
いちごハウス
皆さんは完熟苺を食したことはありますか?一般流通にのせる「いちご」は、輸送途中の傷みや過熟を避けるため、産地では7部熟れぐらいで収穫しています。
7部熟れで収穫すると、その後も輸送途中で色づきはするものの、株から上がってくる糖分や香り成分は供給されないので、味は7部熟れのまま店頭に並ぶことになります。
完熟した「いちご」でジャムやスイーツを創りたい。しかし島内ではほとんど栽培されていない「いちご」。そこで自ら「究極のいちご」栽培に挑むことにしました。
そして2014年の夏に完成したのが「究極のいちご」ラボ。山口県農業試験場さんとメーカー各社・高専を巻き込み、共同研究事業として新しいいちごの栽培方法に挑戦しています。こちらで栽培しているいちごは『よつぼし』という珍しい品種。中まで赤く、甘みと酸味のバランス良いので、ジャムにもお店のスイーツにもとてもよく合います。そのまま食すことのできるデンプンで悪玉細菌を防除したり、有害な草食系ダニを食べてくれる肉食系ダニを使用する等、より安心してお召し上がりいただける栽培方法にもこだわっています。
いちじく畑「コバヤシ」
ジャム屋から少し離れた畑。
この地区では以前から10軒近いイチジク農家さんがいちじくを栽培していたのですが、ご高齢で徐々に廃園や生産数量を減らし始めています。
いちじくは日持ちしない果実なので、栽培する畑のすぐそばでしか加工ができません。ジャム屋としては創業期に初めて商品化して道の駅に出荷した、記念すべきジャムでもあります。そこで、閉園されるいちじく農家さんからいちじくハウスの骨組みをいただき移築。
その農家さんのいちじくの樹から穂木(ほぎ)をとり、挿し木で苗に育て、その農家さんの指導の下、想いも継いで「いちじく畑」を再生。
今では毎年夏の終わりから秋にかけてのジャム屋の大人気商品になっています。
いちじくのジャムは、お店の中でもトップクラスの売れ筋商品で熱狂的なファンもおり、毎年品薄になっております。そこでこの度、自家農園産いちじくの増設を行いました。
いちじくは成長がとても早く、春に植えてその年の秋には実がつきます。また二年後には十分な量がとれます。(みかんは3年目で少し実がつく程度です)収穫時期の異なる品種を今回は試験的に栽培開始。
いちじくの栽培においての一番の敵はスズメバチ。 スズメバチはいちじくのシーズンになると畑を飛び回り、実にかぶりつきます。収穫も命懸けなんです!
丘のサツマイモ畑
ミカン農家さんがご高齢で栽培できなくなった農地を借り受けて改植。
小高い丘の上にあり、眺望と日のあたりが最高の畑です。
例年さつまいもを作るとイノシシが食べに来ますが、この畑は山の上にあるため柵が施しやすく、この畑だけは今のところは被害にあったことはありません。もともと周防大島は「芋食い島」と言われるほど米より芋の栽培が盛んで、そのおかげで江戸末期に6万人近い人口がいたとか。
島とさつまいもはとても深いつながりのある関係で、やはり島のさつま芋は美味しい!この畑で栽培しているさつまいもは、東和金時(とうわきんとき)と言われる島のブランド芋、ムラサキ芋、オレンジ芋の三種類。それぞれの色の違いから瓶の中で二層になるジャムをつくるなど、見た目も楽しいジャムに変身します。特に人気なのが「焼きジャム」の東和金時バニラジャム。
トーストに塗ってからバターと共にオーブンで焼くとホックリとスイートポテトのようになるということで当店の秋から冬の看板ジャムになっています。
また、毎年11月中旬には芋掘り大会も実施しております。是非ご参加されてください。(大会開催日程はその年のいもの成りを確認しつつ9月頃に決定していますので、楽しみにしていてください)例年、デカいも選手権なども行い、秋の一日を楽しめるように企画していります。
是非ご家族やグループで楽しみにお越しください。
柑橘の段々畑
耕作放棄地でほぼ原生林に戻っていた段々畑を再生し地域の方々に定植を手伝っていただき完成したのがこの畑。
少し高台にある柑橘畑で、木の世話をしながら時折見える海の景色は最高です!
段々の石垣は重機のない時代の品。昔の方々のミカンづくりに対する執念がラピュタの城の様に趣を醸し出しています。
栽培しているのはライム、レモン、ブラッドオレンジ、弓削剽柑(ゆげひょうかん:当店ではその縦長の果実が太陽のしずくのようなので「太陽のしずくマーマレード」という商品名で販売しています)などの珍しい柑橘。最近ではフィンガーライムや夏みかんの旧品種など、更に個性的な柑橘類の栽培にも取り組み始めています。
ライム:秋口の緑色のライムは香りが最高。更に減農薬で防腐剤やワックスなどを使用していないので、マーマレードだけでなくお客さまからも生果実の注文が多い柑橘でもあります。また、あえて真っ黄色になるまで樹上完熟させて酸味をまろやかにした黄金ライムを工房でマーマレードにしています。
レモン:言わずと知れた柑橘ですが、なんとレモンの香りは葉っぱにもあるのです。そのためレモンの木から葉っぱを一枚取り折り目をつけると、あの爽やかな香りが広がります。是非畑に遊びに来られた際は試されてください。
ブラッドオレンジ:ヨーロッパ原産の少しマイナー柑橘ですが、ジュース・ジャムなどの加工には大人気。皮と中身が赤黒い色をしておりますが、味は抜群。爽やかでいて濃い甘みが口いっぱいに広がります。ただ果汁も赤色で多く含んでいるので、口元につけたままでいると吸血鬼だと勘違いされますのでご注意を。ジャムにした時にはその爽やかな甘さと他の柑橘には無い色で目を引きます。農業部一押しのジャムの一つです。
是弓削剽悍(ゆげひょうかん):薄い黄色をした楕円形の柑橘。元々は全国様々な場所で栽培さていたそうですが、現在大島ではわたしたちを含めて二件しか栽培していない作物です。果実は爽やかで酸味と甘味のバランスが良く、グレープフルーツに近い味。しかし、グレープフルーツアレルギーの方でも問題なく食していただけるそうです。枝先にその楕円形の実が着いている姿は、さながら太陽の雫のようでとても綺麗です。
ぜひご試食してください。
個性派果実の畑
ジャム工房から少々離れた畑ですが、こちらの畑では、新作ジャムを作るに当たりチャレンジングな新作物や、果樹ではない農作物などを栽培しています。
ここも元はミカン畑。ミカン農家さんがご高齢で栽培できなくなった農地を借り受けて改植して使用しています。栽培しているのは、例えば、、、
ハイビスカス(ローゼル):ハイビスカスティーの原料としても使用されるハイビスカスの一種「ローゼル」を私たちの農園で栽培しています。花ももちろん綺麗で毎年秋には畑を彩りますが、実は花びらではなく、がくの部分を収穫してジャムにします。ヨーロッパでは高級ジャムとして流通していますが、日本ではまだまだ知られていない食材。そのまま煮込むだけで甘酸っぱくて薫り高く、真っ赤なかわいいジャムに仕上がります。栽培・収穫の手間の割に生産量が少ないので、ごく限られたヴィンテージ商品となりますが、ジャム屋としては是非味わっていただきたい一品です。
ジンジャー(生姜):生姜は種生姜を植えることで、新しい生姜を育てます。連作が難しい作物のため、毎年、作付する場所を転々と変更していく必要があり面倒ではあるのですが、ジャム屋になくてはならない食材。フレッシュな新生姜は、香り味ともに「これが生姜!」と思うぐらいフルーティーなんです。このフルーティーさをそのままジャムに使用したいということで、私たちの直営農園で地道に栽培を続けています。
かぼちゃ:こちらの畑では毎年様々な種類のかぼちゃを栽培しています。特徴的な味と見た目のバターナッツ、皮が固くて濃い味のする鉄兜、クリの味にも勝る「くりまさる」、等々かぼちゃの種類の多様な事!栽培方法の検討から収穫したかぼちゃの個性確認、そしてどのように煮込み、どのような食材とマリアージュさせるのがよいのか、、、尽きることのない奥深さがあるのが、かぼちゃ栽培の魅力です。カボチャの成長速度はとても速く、ツルがどこまでも伸びていきます。
フェイジョア:昭和の頃の、柑橘栽培に代わる栽培品目探しの中で、島の一部の農家さんたちが試験的に植えたのが周防大島でのフェイジョア栽培の始まり。しかし、売り方が分からない、、、という事で廃れてゆき、今ではほぼ無くなりました。農家さんから、コレもジャムにならんかの〜とのお声がけがあり、初めて食べたのが約10年前。桃とバナナを合わせたような南方系特有の華やかな味と香りで、食感は梨のよう。とても面白い!という事で自社農園にて栽培を始めました。当工房では相性の良い林檎と合わせて、煮込んでゆきます。晩秋のジャム屋の香り。育て教えてくれた農家さんの事を思い出す一品です。